株式会社アルファヴィル一級建築士事務所

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TEA SQUARE MORIHAN

江戸時代から6代にわたって宇治茶の問屋業を営んできた森半。宇治市小倉地区にある創業の地では街道に面した築100年以上の母家に創業家が住まい、奥の加工場で茶師によるお茶の審査や合組み(ブレンド)が行われてきた。TEA SQUARE MORIHANは、この創業の地に建つ建物の全面改修を通じて、伝統的な職と住の場を、加工から消費まで広さと厚みのある茶文化を総合的に体験できる場へと変容させるプロジェクトである。

巨椋神社の面する古い街道には茶問屋が多く立ち並び、森半でも街道に面した母家と店舗から、茶室や蔵を挟んで、お茶の審査をする拝見場、ブレンド室、冷蔵庫、お茶を袋詰めする大詰いった加工場が、必要に応じて増築、改修を繰り返し、明治の伝統工法から昭和の木造トラスト工法といった新旧の工法が入り混じった迷路のような建物となっていた。本改修では、これらをまず解体調査することから始め、特に伝統的な様式で作られた街道側の母家、店舗、蔵を第1期工事として江戸時代の茶問屋建築の形式を取り戻すことを目指す一方で、木造トラスなど比較的新しい構法の見られる部分を第2期として、カフェや抹茶を使ったスイーツの開発・販売といった新たな業態の場とするために、加工場の一部を減築し、シンボルとなる中庭を新しく開くこととした。

中庭部分を減築するにあたって、幾重にも重なりあって増築された建物群を切り離す必要があったため、中庭に面する継ぎはぎの多い既存構造体は一旦撤去し、新しく基礎、耐力壁、梁を中庭側にまわした。そして中庭側に新たな窓や出入口が設けられ、ガラスの庇が掛けられたことで、さまざまな構法のの既存建物が、構造的にも、プログラム的にも、この回廊によって整理され、繋ぎ合わされることとなった。

京都府
構造:木造、一部鉄骨
階数:地上2階
敷地面積:1,222.80㎡
建築面積: 827.07㎡
延床面積:1,023.72㎡
竣工:2023年

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