2007-08-17 NEWS NEWS (PAST)

白の空間

お盆あけにすこしだけ建築の空間について書いてみたい思います.
なぜ、白い空間を設計するのかといわれると
白でなくてもいいのだけれども、もっとも素材感のある
色だからと言っていいでしょう.
その素材とは、建築の壁や構造体、そして開口部からの自然光
ひいては吹き抜ける風などそういったすべての建築によって発生する
事件を素直に表すものだからといったかんじでしょうか.
繊細な陰影の生じる漆喰や土壁、コンクリートの打ち放しや板貼
といったものでもいいでしょう.
たまたま補修の合理性や経済性から白いペンキや壁紙を採用しているまでです.


白の水まわり

何もない白の壁は空間にいろんな力を与えます.
原っぱと遊園地という著作のある建築家は何度か白く漂白された空間の
もつ力を教えてくれました.
しかしここでは真っ白いものが作りたいといっているのではなく
黒板のように、もしくはキャンバスのような空間がそこにいる人間や
そこにある家具や生活を生き生きとしたものにする背景となることができるのではないかということです.

そのようなことのために内部壁のスイッチプレートを松下のものでなく

に変えてみたり、少しサッシュを目立たなくして窓をもっとシンプルに
楽しめる壁にしたりと些細なことで建築というものの強度が増していく、
注意深く日常の空間を観察することで、ほんとに些細なことの積み重ねで
何万時間とそれに包まれていくという建築がただ風雨をしのぐだけのもの、以上にできればと考えています.


これは先日事務所の壁を白ペンキで補修し黒顔料でサインを書いたものです.


白い階段室の写真ですが上記のように白といってもいろんな色があります.