株式会社アルファヴィル一級建築士事務所

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ALPHAVILLE GUESTHOUSE

時を重ねる改修

京都の下町エリアには、およそ100年前に建てられた小さな町家が今も様々な形で利用されている。しかし戦争で破壊されなかった町家も、近年、建売住宅への建替えが進み始めた。長年に渡って京都の町の骨格を成してきた名も無い町家をどのように改修するべきだろうか。

海外インターンの学生寮として使っていたこの町家は、2015年、雨漏りがひどかったため簡易な屋根の修繕を行ったが、その時、傷んだ合板や天井板を剥がして現れた100年前の土壁が、現在では再現し難いものに思えた。

そこで再改修では、長い年月で付加されたものを全て撤去して建設当初の骨組みと土壁からなる町家に戻した。外部は既存骨組みを構造用合板で補強して、断熱材と新しい外装材でカバーした。そして街路側の2階床を抜いて、見上げるとこれまでの改修の痕と独特な屋根の架構が見られる階段室にした。

このように、古い建物を凍結保存するのでもなく、新しく仕上げ直すのでもなく、使える部分に新しい部分を少しずつ足していく、時を跨いだブリコラージュのような改修方法を試みた。

京都
構造  |  木造
階数  |地上2階
敷地面積|36.10㎡
建築面積|29.80㎡
延床面積|48.10㎡
竣工年 | 2024

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