Hall House 1
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ビリヤードをするために幅6m、100インチの映像を楽しむために長さ5m、というホールを内包する住宅である。敷地は閑静な住宅街と学校にはさまれ、いびつでかつ高低差の大きい道路に面している。駐車場とそれにつながるホール、ダイニングスペースは道路に平行かつ階段状に、そしてホールにうかぶベッドスペースは背面の住宅に平行に配し、そのずれた残余が、道路のむこうがわの校庭にむかってデッキになっている。プライバシーの確保と防音の目的から閉鎖的なこの住宅の中で、大きく開かれたこのデッキは、住宅全体に採光するための開口部でもあり、そのためデッキに隣接した風呂はガラスボックスとした。またスキップしたホールを覆う傾斜屋根は眺望のよい広場でもあり寝室からスロープを経てのぼることができる。 このような平面・断面がともに不定形な多角形、かつ60uの無柱空間を実現するため、ここでは150mmの壁と180mmのスラブからなるRCのモノコックな壁構造を採用した。屋根が折れているのは、空調効率をよくすると同時に、折曲げによってはじめて強度が満たされ、かつひび割れ防止になるというように、全体の3D形状をさまざまな条件を構造家とシミュレートしながら決定した。また外部のRCには浸透性の防水材が塗布し、雨水が屋根から壁を伝って地面に吸収されるような排水システムによって、パラペットや樋、水きりといったディテールが排した。 このようにプログラムとその効率的なレイアウト、コンテクスト、無駄のない構造、工法といったものを同列において方程式を解き、シンプルでありながら多様なシーンの得られる内部空間について考えた。そして壁・屋根・床を同一素材でつくりディテールをなくしたRCモノコック工法は、形体、素材あるいは構造を突出させることなく、内部空間を外部に表現することを可能にしている。このユニークな個人のための舞台装置が、やがて風化しながら土地と一体化し、新たな都市の風景となることを願っている。 |