2019-05-20

「庭路地の家」をアップロードしました

庭路地の家

京都の中心市街地、御所や大学に隣接し、多彩な都市生活が営まれているエリア。子育てを終えた単身女性が早期退職後の豊かな時間を過ごすため、1階に自分のエリアを確保しながら2階の3室を近隣の女子学生に貸すシェアハウスである。1階においても、簡単な眠る場所と掘りごたつと洗面キッチンのみが完全なプライベートエリアで、街路に近いギャラリーは友人の作品の展覧会、近くに住む娘さんの料理教室、近所の子供に算数を教える私塾といった活動のためのパブリックリビング、敷地奥の静かな茶室は友人を招いてティーパーティーを開くためのプライベートなパブリックリビングと、街から住宅へ人々を招き入れて楽しむ彼女の生活スタイルが反映されている。

幅が4.5mで奥行きが30mの敷地に、大小様々で使い手の異なる部屋を並べ、それぞれの場所への適切な自然光とアプローチをいかに確保するか。色々と検討したが敷地の長手方向が南だったこともあり、街路から敷地の奥にまで次第に細くなりながらのびる「庭路地」をもうけることにした。この庭路地にそって細長くのびる建物には、2階のシェアハウスへの階段、ギャラリー入口、そして茶室への3カ所の出入口があり、色々な使い手が、用途に応じて路地を行ったり来たりする。また建物南面の長い外壁に窓が並べられて、庭路地におちた光を室内に導き入れるが、街路にむかって少し斜めに向いたこのスクリーンからは、中の様子がプライバシーを妨げない程度にかいま見られる。外壁とアルミサッシの色は、間接光が得られる明度があり、同時に長い庭を浮き立たせる背景となるよう、落ち着いたマットベージュを選んだ。こうして奥深い敷地いっぱいまで細長く切れ込む庭路地は街との間のバッファーゾーンであり、住宅の中のアクティビティーに応じて街と住宅の距離を調整する、インターフェースの役割を空間として果たしている。落ち着きのある住宅であると同時に、京都の賑わいをひきこむことのできる新しい建ち方の提案である。

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